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2023年03月16日
令和5年3月11日は、東日本大震災発生から12年目にあたります。仏教学部では、立正大学建学の精神、ならびにその精神母体である仏教学部の特殊性を鑑み、未曾有の震災によって亡くなられた人々の追悼と、現地の方々の復興・平安を祈ることを目的として、平成23年度から追悼法要と被災地研修を毎年実施してきました(新型コロナウイルス感染症拡大により、令和元、2年度は中止)。
本年度は昨年度に続きオンライン形式で行うこととし、3月10日(金)に「令和4年度東日本大震災オンライン被災地研修・慰霊法要」を実施しました。参加者はPC等を通じて宮城県南三陸町の「南三陸研修センター」に接続し、各プログラムに取り組みました。南三陸町は、林業や漁業が盛んであることから、平成28年に世界で初めて「FSC(森林管理協議会)」「ASC(水産養殖管理協議会)」の2つの国際認証を取得、さらに湿地環境を守る「ラムサール条約」に登録するなど、SDGs(持続可能な開発目標)に注力している自治体として知られています。これらのことから、本研修プログラムは、被災地の研修のみならずSDGsも学習する内容となりました。
午前のプログラム冒頭に、立正大学がこれまで実施してきた被災地研修・慰霊行脚の活動を振り返りました。その後、被災地とオンラインで繋いで、現地の語り部から震災直後の実体験、ならびに町が抱えている悩みや問題について話を聞き、12年経った今、現地が抱えている複雑な思いや切実さを共感しました。
午後のプログラムでは、手入れしている山とそうでない山との比較を通じて、山の環境によって住む街や豊かな海にも影響を及ぼすことを学習しました。その後、参加者に事前に配送された材料をもとに、杉を使ったフォーク・スプーン作りや特産のわかめを用いたふりかけ作りを行い、山や海の環境を通じて被災地での今を学びました。南三陸研修センターの研修プログラム終了後、事前に録画した「東日本大震災物故者第十三回忌慰霊法要」の動画視聴を通じて法要に参列し、震災で亡くなられた物故者へ供養を捧げ被災地の復興を祈りました。
参加者からは、「被災から10年以上経ったが、被災を忘れないことが慰霊のひとつになると感じた。」「今でも被災地の方々が協力して頑張っていることを学び、災害が起こる前に考えなければならないことがたくさんあると思った。」「震災から13年が経つが、町の景観は良くなっていっても、人々の心や考えは常に揺れ動いており、常に被災地の人々の思いに注目をしなければならないと感じた。」等の感想が寄せられました。