仏教学と宗学

  • 「仏教学」とは?

    「仏教学」とは、19世紀中ごろにヨーロッパで興った「インド学」から派生して成立した学問です。イギリスを中心とした当時の学者は、インドの文化や宗教、歴史を明らかにするための研究を進める中で、その地にかつて存在した「仏教」なるものを発見します。遺跡の発掘調査や、文献資料の読解という「文献学」の手法に基づき仏教に接した彼らはやがて、仏教は宗教か哲学か、といった議論を開始します。日本には明治時代にイギリスに留学した学者によって、この学問がもたらされました。
    2500年の壮大な仏教の歴史を研究対象とする仏教学には、様々な可能性が多く遺されており、今後の研究の進展が大いに期待されています。

  • 「宗学」とは?

    「宗学」とは、一般的に一宗派の教義・歴史を研究する学問のことをいい、仏教各宗派それぞれに共通する学問領域です。宗学科では、日本仏教諸宗派の思想や歴史を対象に幅広く学びます。中でも日蓮宗の宗学は、本学の教育理念の根幹として長年研究を積み重ねてきた伝統ある領域で、宗祖日蓮聖人が依りどころとした『法華経』や日蓮聖人が書き遺した文献などを手掛かりに、主に法華教学史(法華経の思想史および天台学)・日蓮教学(日蓮聖人の思想と行動)・日蓮宗教学史(日蓮教学の継承の歴史)・日蓮教団史(日蓮教団の歴史的展開)の4つの視点からアプローチします。
    日本仏教の伝統的な宗学をトータルに学び、先師が伝え遺した仏教の叡智を見出し、それを現代社会に有用な価値として還元すること、これが「宗学」の学問的意義です。

仏教学部の学び

仏教は多くの学問分野と関連しており、様々なキーワードが興味・関心につながる手がかりとなります。仏教学部では、仏教を外側から学ぶ「仏教学」と、内側から学ぶ「宗学」を学びの柱とし、多様性ある仏教を総合的に学びながらその本質へとせまります。