ネパール(釈迦の故郷とカトマンズの神々を巡る旅)
通算28回目となる海外研修はネパールを研修地として、多くの世界遺産を訪れました。釈尊生誕の地ルンビニーや、仏舎利が納められているラーマ・グラマ・ストゥーパ、カピラ城跡と推定されているティラウラコット遺跡、アショーカ王石柱等、仏教の故地を見学しました。また、ネパール最大のヒンドゥー教寺院パシュパティナート寺院やネパール最古の仏教寺院といわれるスワヤンブナート、目玉寺院として有名なボダナードなどを見学し、充実した研修となりました。
台湾(TAIWAN/台湾をめぐる 海域の東西交渉史と近代日本仏教のアジア展開)
アジアに進出してきた西欧諸国や鄭成功政権が、17世紀の台湾に、ゼーランディア城/安平古堡や、プロヴィンシア城/赤嵌楼といった城塞を築きました。また明治の日本が台湾に進出すると、仏教界も台湾に布教の拠点を設けました。台湾は、近世・近代の世界が覇権を争う舞台となっていたのです。
本研修では、これらの遺跡を通じて世界の歴史の一端を学ぶほか、伝統を継承する仏教古刹、孔子廟や道教寺院、中華文明の粋を遺す台湾故宮博物院と台湾中央研究院(アカデミー)の歴史文物陳列館、そして本学と学術提携を結び国際的な仏教教団として知られる法鼓山を訪うなど、さまざまな体験を得ることができました。
ウズベキスタン・タジキスタン(CENTRAL ASIA/中央アジア古代仏教遺跡巡り)
ウズベキスタンでは、立正大学が学術調査を進めるズルマラ仏塔やカラテペ、カンピルテペ、ファヤズテペなどの仏教遺跡と、イスラム時代の都市遺跡であるヒヴァ、サマルカンドなどの世界遺産を見学。タジキスタンでは、アジナテペなどの仏教遺跡や、ペンジケント、サラズム遺跡などを巡りました。砂漠の国の風土を実感し、玄奘三蔵をはじめとする弘法僧の息吹にも触れられた充実の12日間でした。
インド(INDIA / インド三大仏教遺跡参拝と現代インドの仏教見聞)
海外仏教文化研修がスタートした1994年以来、4年に一度の割合で仏教発祥の地を訪問。2018年度は、インド三大仏跡として知られるブダガヤ、サールナート、霊鷲山の他、コルカタやダージリン、ナグプールなどで実地研修を行いました。
貴重な仏教遺跡やインド仏教復興運動の舞台となった土地を実際に訪ねることは、仏教の誕生と衰退、復興の歴史をより深く理解する上でかけがえのない機会となりました。
ネパール(NEPAL / ネパールにおける立正大学の過去・現在・未来を辿る)
後のゴータマ・ブッダ、シッダールタ太子が出家するまでの歳月を過ごしたカピラ城。その城跡は1967年から立正大学が発掘、都城跡と確認されました。
この地を訪ね、立正大学とネパールの交流の歴史を振り返るとともに、太子生誕の地ルンビニやネパール文化の中心地カトマンズ盆地で数多くの世界遺産を見学。卒業生のプロ登山家竹内洋岳氏の講演を聴講したほか、現地の日本語学校の学生との交流も体験しました。
中国・新疆ウイグル自治区(SILK ROAD / シルクロードの仏教遺跡を巡る
―鳩摩羅什の故郷と6大石窟―)
キジル千仏洞、クムトラ千仏洞、トルファンのベゼクリク千仏洞、敦煌の世界遺産、莫高窟など、シルクロードに点在する6つの仏教石窟群を巡り、仏教の史的、文化的、民族的、変遷・影響・展開を考察。
そして、立正大学の建学の精神の基盤となっている『妙法蓮華経』の訳経僧・鳩摩羅什三蔵の生誕の地・クチャから終焉の地・西安までを訪れるという2つの目的をもって、シルクロードを巡りました。
イタリア(ITALY / ミラノ・フィレンツェ・ ローマの宗教芸術を鑑賞)
文化研修の舞台は、仏教の枠組みを超えて異文化圏にも広がっています。
2015年度はイタリアを訪問し、チェレザートにある日蓮宗の寺を参拝した後、ミラノ・フィレンツェ・ローマなど7つの都市を巡り、文化遺跡や古代ローマから、ルネサンス、バロック期の宗教芸術を鑑賞。ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」、ラファエロ「アテネの学堂」、ミケランジェロ作「ピエタ像」など、名高い芸術作品を目の当たりにした感動は、参加者の心に深く刻まれました。
岩手(みちのくの仏像と宮沢賢治の信仰)
今回の研修は、「みちのくの仏像」とともに宮沢賢治の足跡を訪ねることをテーマに、東北地方の寺院や施設を巡りました。一日目は、二戸の天台寺に赴き、桂泉観音として著名な尊像を含めた諸仏を拝観し、浄法寺漆についても学ぶ機会を得ました。二日目は、みちのくの仏像の代表格である成島の毘沙門天像と黒石寺薬師如来像を拝観するとともに、宮沢賢治ゆかりの寺院や記念館を巡りました。最終日は、世界遺産にも登録されている「平泉文化」を象徴する中尊寺と毛越寺、くわえて、現在は断片化してしまっているものの、造形的には一級の質を誇る二十五菩薩堂の諸仏を拝観しました。
滋賀(湖北湖東の仏像と比叡山)
今回の研修では、滋賀県の琵琶湖周辺の寺院と比叡山を巡りました。1・2日目には湖東三山のうちの西明寺と金剛輪寺、向源寺、鶏足寺・己高閣、石馬寺の諸仏を拝観し、平安前期から鎌倉期に制作された仏像彫刻を中心に、各時代の彫刻造形様式の特徴とともに、その背景となる時代の変遷との関係性について、体感的に学びました。また、最終日には比叡山延暦寺を訪れ、現在大改修中の国宝根本中堂の内部を巡ることができ、普段目にすることのない貴重な光景を間近で観る機会に恵まれました。
鎌倉・伊豆(東国の古佛を巡る旅)
今回の研修は、伊豆地方に数多く遺されている平安期から鎌倉期の仏像彫刻を主軸として、関東地方に遺る慶派仏師の作品等を拝観する研修を行いました。参加した学生にとっては、各時代の造形様式の違いを感得すると同時に、平安前期の仏像が伊豆地方でなぜ多数造立されたのか、鎌倉初期に運慶が東国で活動した経緯やその影響の大きさなどについても、自らの感触に基づいて探る機会となりました。
岡山・香川(日本仏教の庶民信仰をたどる)
今回の研修は、備前法華や稲荷信仰(岡山県)、四国八十八箇所霊場にみる大師信仰や金比羅信仰、日蓮教団史上の在家信仰(香川県)が両県に存していることから、当該する庶民信仰の特徴や、その背景となる地域の文化・歴史の変遷について体感的に学ぶことを目的として研修を行いました。
初日は最上稲荷総本山の妙教寺・備中国分寺など、2日目は高松歴史資料館・讃岐国分寺など、3日目は金刀比羅宮などの寺社や史蹟を巡り、讃岐うどん作りも体験しました。
京都・滋賀(湖北湖東の仏像と山城の寺院研修)
今回の研修は、平成30年9月3日~5日にかけて、「湖北湖東の仏像と山城の寺院」というテーマで、滋賀県の琵琶湖周辺と京都府南部の寺院を巡りました。白鳳期から鎌倉期に制作された仏像彫刻を中心に拝観し、各時代の彫刻造形様式の特徴や、その背景となる時代の変遷の必然について体感的に学ぶ機会となりました。
東北(宮沢賢治・平泉文化をめぐる研修)
今回の研修は、岩手県を中心に、平成29年9月7日~9日にかけて、詩人・ 童話作家として著名な宮沢賢治
(1886~1933)の足跡をたどり、賢治の法華信仰とそれに根ざした思想と行動を学ぶこと、世界文化遺産の「平泉」をたずねその歴史や文化を学修すること、以上の2つの目的に添って実施しました。
初日は、大慈寺・もりおか歴史博物館・本正寺・ 岩手大学農業教育資料館・願教寺などの仏閣・博物館等を巡り、2日目は賢治実家・宮沢賢治記念館など、3日目は中尊寺・毛越寺などを巡りました。
新潟・佐渡(新潟・佐渡をめぐる研修)
今回の研修では、事前授業でグループ別に課題を設けて調査・報告し、関心を高めた上で、実地の見学に臨み ました。現地では日蓮聖人真蹟の曼荼羅本尊や遺文を拝観する機会もあり、信仰世界を肌で実感できたことは、今後の学修の中でさらに生かされることでしょう。
大阪・奈良(堺・飛鳥・奈良をめぐる仏教文化研修)
堺では、世界三大墳墓の一つ 仁徳陵古墳、日蓮宗由緒寺院の妙國寺などを見学しました。妙國寺で は、天文法難以後の教団再興と学問興隆に力を注いだ当山開山の仏心院日珖上人の事跡について、貫首猊下より講義して頂きました。次いで東進して奈良県の飛鳥地域に入り、「飛鳥大仏」で知られる飛鳥寺、聖徳太子有縁の橘寺、石舞台古墳、藤原宮跡、箸墓古墳などを訪れました。さらに奈良に北上し、平城京跡、「奈良の大仏」の東大寺、総国分尼寺であった尼門跡の法華寺、等を見学しました。日本の仏教文化の諸相を現地に赴いて学修し、その思想・歴史・芸術・信仰を肌で実感したことは、学生諸君の心に深く刻まれ、今後の学びのなかでさらに生かされるものと確信しています。