法華経文化研究所では、法華経およびそれに関連する文化の基礎的研究を行い、学術進歩への寄与と、世界文化の解明に貢献することを目的として設立された研究所です。
本研究所は、漢文はもとよりインドやシルクロードなどのアジア諸地域で発見された、サンスクリット語・チベット語等の法華経写本研究において、高い評価を得ています。
本研究所の機関誌として『法華文化研究』を1975年より年1回発行し、顧問及び所員、特別所員、研究員の研究論文・資料等を掲載しています。
長年の研究の成果として『梵文法華経写本集成』全12巻・『法華経関係稀覯資料集成データベース』が刊行され、国内外の研究者に広く利用されています。現在ではインド、チベット、中国、朝鮮半島、シルクロードといったアジア全域の仏教の研究を総括して行なっており、アジア諸国はもちろんヨーロッパやアメリカの大学や研究機関などと、常に情報交換や資料提供を行なっている国際的な研究所です。
立正大学日蓮教学研究所では、日蓮聖人、日蓮教学、日蓮宗教学史・教団史などの研究をおこない、これに関連して日蓮聖人遺文集の編纂、遺文注釈書・解説書の編集、日蓮宗典籍類の翻刻、各種辞典類の編纂、日蓮宗寺院の霊宝・文化財の調査および報告などを行っています。
年一回発刊される『日蓮教学研究所紀要』には、研究所の所員・研究員や若手の研究生の論文等、最新の研究成果を掲載し、また日蓮宗教学史・教団史関連の貴重な文献類を翻刻・紹介しています。
日蓮聖人研究の基本文献である『昭和定本日蓮聖人遺文』全4巻は、1953年に発行され、1988年、1991年、2000年にあいついで改訂増補版が刊行されました。
また、立教開宗750年慶讃事業の一環として編集されていた、『日蓮聖人遺文辞典』教学篇が2003年に完成しました。すでに発行されている歴史篇とあわせて、日蓮聖人遺文の読解・研究には必須の辞典です。
1953年、日蓮学を中心として仏教全体の研究を目的とした、立正大学仏教学会が発足し、その後、1984年に諸状況の変化から会則の見直しがはかられ、日蓮教学および法華経研究を中心として仏教学全般の研究を目的とした学会に生まれ変わりました。本学会の機関誌である『大崎学報』は、日蓮宗大学林同窓会誌として1904年12月に創刊され、戦時中の休刊があったものの、100年以上にわたって、研究成果発表の場として、国内外の研究者に提供されてきました。
「文化財」という言葉は徐々に浸透しつつありますが、現在でもそれについて充分な理解があるとは言い難い状況にあります。しかも、修復に携わる人々の立場一つとっても、様々な立場からの接触があり、「文化財の修復」としての十全な環境からはほど遠いのが実状です。本学部がこの「修復研究・実習室」を設立したのは、現在、全国の寺院にまつられている仏像尊像が今も信仰の対象であることを前提としつつ、そこに秘められている歴史的・造形的価値などについても看過されることのないよう、適正なる理念に基づいた措置によって、後世に永く伝えていこうとすることにあります。
当修復研究・実習室は「文化財保存修復学会」において、継続的に研究成果を発表しています。